2009年08月01日

『来来来来来』を観た

劇団、本谷有希子
りょう/佐津川愛美/松永玲子 /羽鳥名美子/吉本菜穂子/木野花
@東京 下北沢 本多劇場

ちょっと仕事を早めに抜け出させてもらって、今回で、6回目となる本谷の舞台を観る。ここのところの作風が、どうも「腰抜けども〜」の“わがまま女”から抜け出せない感じで、本谷作品も食傷気味になっていたのだが、今回は2時間全く無駄なく、一気に観られた。本当に途中で時計を見なかった芝居は、久しぶりだ。

とはいえ、いってみれば、りょう演じる次男の嫁も“わがまま女”なのかもしれないが、松永玲子演じる長男の嫁のような“わがまま女”さばかりが目立ってきたこれまでの作品に比べると、グンと個性が広がった感じがする。言ってみれば、今回でてくる女性すべてが、“わがまま女”なのだ。母親、長男の嫁、次男の嫁、そして、その家の工場で働く近所の女性や女子高生‥。

ひとりのわがままが、別の人が大事だと感じている何かを侵食すると、侵食された人はそこから開放されるべく自分のわがままを、また別の人にぶつける‥そうやって、わがままが負の連鎖を生み出していく様を、刺激的に見せている作品なのかもしれない。特に、「自分が生きるためのよりどころ」を侵食されるかどうかで人が変わることを上手く描写している。

しかし、その負の連鎖を誰かが断ち切れるのだということも、最後に教えてくれたが、その代償もまた計り知れない。ひとりのわがままが、めぐりめぐって多くの人を巻き込む図は、国家規模でみれば戦争だろう。そこまでは、深読みかもしれないが、主人公のバリエーションを描き出すことで、新しい作風を生み出すだけでなく、私たちに訴えかける内容も変わってきた点は、非常に好感が持てる。

私がファンである吉本菜穂子も、出しゃばり過ぎず、目立ち過ぎず好ポジション。松永玲子は、ホントこんな悪っるい女性はハマリ役だ。ナイロンで観るよりも、充実している気がする。りょうや佐津川は舞台歴が浅いので、若干固さもあったが、柔軟性があって良かった。これは、観るべし!

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posted by 4430516 at 01:38| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・芝居とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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